「より良いホワイトな社会の実現」について考える日

今週のお題「ホワイトデー」

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Photo from https://pixabay.com/photos/grass-outdoor-field-people-man-2563424/#content

どんな国でも、その国固有のイベントがあります。例えば、サンクスギビング (アメリカ)、春節 (中国)やカーニバル (ブラジル)などです。日本にも、5月ゴールデンウィーク、7月七夕、8月お盆、12月忘年会 (年越し)と多くの固有イベントがありますが、忘れてはいけないのが「2/14のバレンタインデー」と「3/14のホワイトデー」です。

バレンタインデーは世界共通イベントですが、日本と世界で少し違いがあります。

  • 日本: 女性が意中の男性にチョコを贈って愛の告白をする日
  • 欧米: 家族や恋人同士で花束、メッセージやプレゼントを贈り合う日

日本のバレンタインデーで、チョコを贈るのは、お菓子業界の戦略だったと言われていますが、これは欧米のイベントであったバレンタインデーを上手にアレンジした例です。

一方、ホワイトデーは、日本で生まれた文化で2/14のバレンタインデーのお返しを贈る日です。日本発祥のイベントですが、現在では中国・台湾・韓国にも同じように親しまれているそうです。つまり、ホワイトデーは、男性から女性に想いや感謝を贈る日だと言えます。

 

現在の日本では、女性の社会進出の重要性と言われていますが、以下の問題がいまだに社会進出の妨げとなっています。

  • 収入格差
  • 女性管理職の少なさ
  • 出産と仕事の両立の難しさ

1番目と2番目は、企業全体でなければ対応できない問題ですが、3番目は個人でもある程度は対応できる問題です。しかし、2018年の厚生労働省平成30年度雇用均等基本調査」で報告された育児休暇の取得率は、女性 82.2%男性 6.16%であり、男性の子育てへの参加が十分でない現状が示されました。男性にも様々な事情がありますが、6.16%という結果は低すぎます。ちなみに、2015年のドイツでの男性育児休暇取得率は36%でした。今後は、企業だけでなく、既婚/未婚・お子さんがいる/いないに関わらず男性各々の意識改革が必要となっています。

 

前述したように、ホワイトデーは男性が女性に想いや感謝の気持ちを贈る日です。3/14は、男性が「性別に依らない より良いホワイトな社会を築くため」に取るべき行動について考えるのはどうでしょうか? 私も自分が何をできるかを改めて考えてみます。 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参照

いまいちど、出生率について考えてみませんか?(4)

日本の出生率問題を取り上げています。前回は、日本と世界の状況を比較して、ドイツが出生率改善の参考になる可能性があることを記事にしました。今回は、ドイツの出生率増加の要因について見てみます。 

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Photo by Christian Lue on Unsplash

ご存じかもしれませんが、ドイツの出生率増加は、近年大きなニュースとなっていました。他国と同様に、ドイツは長い間出生率の減少が問題となっていましたが、2016年に出生率1.59と突如増加し、その後5年間継続した増加を示しました。その理由としては、大きく3つの要因があるようです。 

1. 移民の高い出生率

1番目の理由として挙げられているのは、「移民の高い出生率」です。2016年には、非ドイツ人女性の出生率が前年比でなんと25%増加を示しました。伝統的に多くの子供をもつ文化圏から移民が多かったためと考えられています。

2. 家族政策

2番目の理由が「家族政策」です。人口減少対策として、育児休暇に対する手厚い保障を実施しました。母親・父親を問わず給与の2/3が最初の1年間に、両親2人が同時に育休を取ると、支給期間が2ヶ月間支給延長といった政策です。さらに、託児所不足解消にも力注いだようです。男女問わずの政策の甲斐もあり、2006年に3.5%だった男性の育児休業取得率が、2015年に36%まで上昇だけでなく、ドイツ人女性の30~37歳での出生率も増加しました。

3. 好調な経済

3番目の要因としては、ドイツ経済が好調であったという点です。2015年には、EU全体の経常黒字のうちおよそ8割をドイツが稼ぎ出し、2016年には、中国を抜いてドイツは世界最大の経常黒字国となりました。ただ、2019年では、ブレグジッドや貿易摩擦の影響から、経済にも陰りが出始めているようです。

ドイツの出生率上昇、1973年以来の高水準 BB News (2018/3/29):

https://www.afpbb.com/articles/-/3169158?cx_amp=all&act=all

ドイツでベビーブーム、出生率が43年ぶりの高水準に NewSphere (2018/4/4): 

https://newsphere.jp/national/20180404-3/

ベビーブームに沸くドイツ 日経新聞 (2018/4/5):

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO29044440V00C18A4FF2000

「小さな奇跡」日経BizGate (2019/5/21):

https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO4495934017052019000000?page=2

なぜドイツは男性の育休が急増した?社会の空気を変えたものの正体

Business Insider (2020/1/27)

https://www.businessinsider.jp/post-206372

かつては“欧州の病人”、今や“一人勝ち” その国は? NHK News Web (2019/9/2)

https://www3.nhk.or.jp/news/special/german-election-2017/german-strength/

10年ぶりのドイツ景気後退と緊縮主義の終わり 東洋経済ONLINE (2019/8/30)

https://toyokeizai.net/articles/-/299901

以上の3つの要因によって、出生率増加となったドイツではありますが、2016年の出生率(1.59)でも、2を下回ったままです。そのため、人口減少に歯止めができているとは言えません。また、経済の陰りが見え始めているので、このまま出生率増加が継続されるかには疑問があります。しかし、これら3つの要因は、日本も大いに参考できる部分ではあります。次に、これら3つの要因から日本の状況を見てみます。

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Photo by Colton Jones on Unsplash

1番目の要因「移民」は、日本では限定された人のみが移民の対象となるので、当てははめることができません。また、3番目の「好調な経済」ですが、経済が好調である言われてきた点は日本も同じですが、好調な経済が国民個人に実感としては伝わってはいません。さらに、直近では消費税増加やコロナウイルスによって経済が大きく影響を受けることが予想されているため、これも当てはまらないと考えられます。

そうなると、2番目の「家族政策」しかない訳です。日本の家族政策(子育て支援)は、2016年に「ニッポン一億総活躍プラン」の閣議決定がされ「出生率の目標値を1.8」の実現に向けて、若者の雇用・安定待遇改善・保育サービスの充実・働き方改革推進・希望の教育を受けることを妨げる制約の克服といった様々な政策を掲られました。しかしながら、現実は「女性の育休取得率が83.2%なのに対し、男性は5.14%と極めて低い。」や「約20000人の待機児童がいる。」となっていることから分かる通り、出生率減少(2017年には1.43)しており、家族政策の効果が出ているとは言えません。

ドイツで出生率増加の3つの要因のいずれも日本には当てはまっていないという訳です。当然、出生率低下が収まるはずがありません。

それでは一体日本がどのような対応策を講じていけばいいのでしょうか?次回はその対応策について記事にします。

次回も読んで頂ければ嬉しいです。それでは、また!! 

 

興味がありましたら、今回のシリーズの過去の記事もご覧ください。

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いまいちど、出生率について考えてみませんか?(3)

日本の将来に関する話題として、出生率の低下を取り上げています。前回は、日本の出生率問題は、20歳代の出生率の低迷が原因になっていることを記事にしました。

今回は、世界の出生率合計特殊出生率)に目を向けてみます。日本の出生率を考えるのにあたって世界との違いを見ておくのは重要です。

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世界の主要国(個人的に考えた日本にとっての主要国)と日本の出生率を下のグラフに示します。上のグラフは1960~2017年の出生率、下のグラフは1980~2017年の出世率を拡大したものです。実は、どの国でも出生率が1970年から減少傾向で、1990年以降からは減少度合いが緩やかになる傾向になっています。さらに、2017年には、どの国も出生率が2を下回っており、人口減少傾向となっています。フランスは出生率が高いので有名ですが、2017年では出生率 1.92でした。また、国土面積がほぼ同じドイツと日本は出生率もかなり近い推移をしていますが、2017年ではドイツが少し上昇(ドイツ 1.57、日本1.43)しています。国土面積が日本より小さいイギリスは日本よりも高い出生率1.79となっています。

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参照: https://ourworldindata.org/fertility-rate

前回の記事では、日本では20歳代の出生率低下が原因の一つであることを述べたので、世界の20歳代の状況も見てみます。下のグラフは、2010年と2017年の年代別の出生数(/女性1000人当たり)を示しています。合計特殊出生率のデータがないため出生数を示しています。※中国はデータが無く載せていません。

2010年から2017年の8年間で、35歳以上の出生数が近づいています。一方、20-24歳、25-29歳、30-34歳は国ごとに違います。フランスはいずれの年齢群も高くなっていますが、特に25-29歳と30-34歳が高いのが特徴です。ドイツは2010年では日本とほぼ一致しでしたが、2017年で20-24歳と30-34歳が日本よりも高くなっています。一方、アメリカは他の国と異なり、2010年と2017年の両方で20-24歳の出生数が他の国よりも高くなっています。フランス、アメリカ、イギリスの3国は、25歳以上の出生数が2010年と2017年でほぼ同じ値となっているという特徴もあります。

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参照: http://data.un.org/DocumentData.aspx?id=319

次は、2010年と2017年の出生数の差のグラフです。ドイツが20歳以上の全ての年齢層で増加を示しています。フランスは、15-34歳の出生数が減少しており、特に25-29歳は大幅減少です。アメリカは、15-19歳と20-24が減少ですが、25歳以上で増加しています。お隣の韓国は、かなり変動が大きいです。日本を見てみると、なんと25-39歳では増加しているのですが、15-19歳と20-24歳が減少しています。

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参照: http://data.un.org/DocumentData.aspx?id=319

以上をまとめると次のようになります。

  • 出生率はどの国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、中国、韓国)も低下している。
  • 出生数は、フランス、アメリカ、イギリスが比較的高い。
  • 面積が日本と同じであるドイツは、20-24歳と30-34歳の出生数が日本よりも高い。さらに、20歳以上のすべての年齢層で出生数が増加している。
  • 日本は、25歳以上は出生数が増加しているが、15-19歳と20-24歳で減少している。

日本では、やはり、20歳前半の出生率の改善が重要であることがわかりました。日本と国土面積が同じであるドイツでは、20歳以上の全ての年齢層で増加しているので、ドイツの政策が出生率改善の参考になる可能性があります。

今回は、日本と世界の状況を比較してみました。 次回は、ドイツの政策を見てみたいと思っています。次回も読んで頂ければ嬉しいです。それでは、また!! 

 

興味がありましたら、今回のシリーズの1回目記事もご覧ください。

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さらば日本型雇用、新ワークスタイルへの変革

今週のお題「卒業」

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Photo by Alexas Fotos on Pexels

3月は卒業シーズンですが、今年はウイルス騒ぎで卒業式が延期や中止になっており、非常に残念です。そもそも、卒業とは学校生活の終わりという意味を指しますが、最近で学校に限定せず、「今までの事柄を終わらせて、新しい事柄との出会うための節目」という意味でも使われています。今回は「卒業」を会社員に対して考えてみます。

卒業は、それまで生活をともにしてきた友人達との別れを意味することが多いため、悲しみとともに語られることが多い。一方で、新たなる生活のための節目としての意味合いもある

卒業 - Wikipedia

日本の企業や会社員は、大変革の中にいます。昨年、トヨタ社は年功序列や終身雇用といった「日本型雇用」の見直しを発表し、それに追随するように経団連が日本型雇用の見直す必要性を提起しました。会社員は、今までのワークスタイルから新しいスタイルへの変革というまさに「卒業」に直面しています。

トヨタ社の日本型雇用の見直し

これまでトヨタは、年功序列や終身雇用といった「日本型雇用」の象徴的存在と見られていたが、その同社ですら今、雇用の在り方を大きく見直そうとしている。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/101000041/

経団連の追随

経団連は21日、2020年春闘で経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会報告」を発表した。経済のデジタル化や国際競争に対応し、年功型賃金と終身雇用を柱とする日本型雇用慣行を見直す必要性を提起。

https://this.kiji.is/592229251087221857?c=39546741839462401

さらに、みずほ証券朝日新聞などの多くの大企業が早期退職を実施している、一方でNECのように新卒に年収1000万円を提示する企業も現れています。

早期退職の実施

調査によると、2019年1~12月に早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万1351人。18年には、企業数(12社)、人数(4126人)とも過去20年間で最少を記録。人員のリストラ策に一服感があったが、19年は様相が一変。いずれも約3倍増となった。

https://www.j-cast.com/kaisha/2020/01/19377401.html

優秀人材の確保

優秀な人材を確保するために、NECは10月から研究職を対象に、新卒年収が1000万円を超える可能性がある給与を支給すると発表した。これが技術・研究系の職場に衝撃を与えている。

参照: IT media ビジネス Online

日本政府も次々と改革案を打ち出しています。働き方改革同一労働同一賃金、副業・兼業促進は、まさに今までの日本型雇用から脱却を求めたものであり、今までのやり方からの脱却を企業や国民(特に会社員)に求めています。

働き方改革

投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

副業・兼業促進

平成30年1月、モデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設しました(第14章第67条)。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

日本の会社員は、今まさに「卒業」シーズンを迎えています。私達は、今までの常識・経験・知識・やり方が通用しない時代の転換期に生きています。何が起こるかは全く予想できないので、不安な気持ちが大きくなりますが、それは誰でも同じです。失敗と成功の試行錯誤を繰り返して、乗り越えていくことが重要です。チャレンジ精神を忘れずに乗り越えて行きましょう!!

最後までお読み頂きありがとうございました。 

いまいちど、出生率について考えてみませんか?(2)

日本の将来に関する話題で、出生率の低下が大きな問題になっています。前回は、出生率は「普通出生率」と「合計特殊出生率」の2つがあり、一般的に出生率というと「合計特殊出生率」を意味していることを記事にしました。

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出生率が問題!」というのは良く聞きますが、ちゃんと「出生率の何が問題なのか」を知って人が多いですよね。今回は、問題の根源を知るために「出生率問題」について記事します。

下図は厚生労働省による結構有名なもので、出生数と出生率を重ねたグラフです。これらは関連している指標なので、どちらも減少傾向となっています。過去にベビーブームが2回あり、それぞれ出生数が前後の年よりも高くなっていることも分かります。さらに、「ひのえうま(丙午)で生まれた女の子は男性にとって縁起が悪い」と言われていたため、1966年は激減した特殊な年です。出生数と出生率という関連した指標を扱っているので、重要な報告ですが、このグラフから特に目新しい情報は得られないですね。

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https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/shusshou.html

次に、総人口と出生率の関係性が下のグラフを示します。1947年(昭和22年)の出生率は4.54とでしたが、これは戦後まもなくという事もあり「子供が労働力であったこと」や「成人する前に死亡する多かったこと」から多くの子供を産む必要があったと考えられます。総人口のピークは2010年の約1億2800万人で、そこから減少傾向に転じています。つまり、1920年~2010年約90年以上の間で人口が増加していたことになります。そして、出生率が2を下回る傾向を始まったのは1975年(総人口1億2000万人)からです。今から40年以上前に少子化の兆しは始まっていました。40年前の課題が現代になって顕在化しているということなので、日本の人口減少というのは仕方ないことです。

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参照: 厚生労働省

最後に、年代と年齢別出生率の関係を示します。1930年(全体の出生率 4.71), 1950年(3.65), 1960年(2.00), 2016年(1.44) 時の年齢別合計特殊出生率を示したのが下のグラフです。出生率が2を大きく上回っていた1930年や1950年は、現在2016年とは大きく異なった形をしています。一方、出生率がちょうど2であった1960年と現代2016年の違いを見てみると、実は31歳以上の出生率は2016年の方が1960年を上回っています。しかし、20~29歳の出生率が2016年では大きく下回っています。全体の出生率は1930年からずっと減少していますが、1960年から現代の60年間では、20歳代の出生率に圧倒的な低下が起きていることになります。この20歳代の出生率の圧倒的な低下が、人口減少の原因の1つなんですね。

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参照: 国立社会保障・人口問題研究所

今回は、他のデータを合わせて出生率を見つめなおしてみました。次回は世界の出生率について書く予定です。次回も読んで頂けますと嬉しいです。それでは、また!!

いまいちど、出生率について考えてみませんか?(1)

 

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Photo by Dulcey Lima on Unsplash

最近、日本の将来に関するニュースを良く目にします。明るい話は少ないのが残念です。将来を考える上で、経済成長というのは重要な項目の1つです。経済成長の要因は3つは、1)労働力(人口増加)、2)機械・工場などの資本ストック(蓄積)、3)技術進歩と言われています。

 

要因2と要因3は、個人の行動が直接影響するというものではありません。一方、要因1(人口増加)は私たち個人の行動が影響するものです。 昨年2019年末に大きなニュースにもなったように、出生数が初めて90万人以下となりました。また、2018年の報告では、合計特殊出生率は1.42でした(2019年の合計特殊出生率はまだ発表されていない)。人口増加への赤信号が灯った状況になりました。

 

厚生労働省が24日発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4千人となった。前年比で5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。・・・・・・政府は仕事と子育ての両立や待機児童対策、保育料無償化や働き方改革、男性の育児参加などを推進してきた。合計特殊出生率05年の1.26を底に一度は持ち直したものの、15年の1.45の後は減少が続き、18年は1.42だった。

日本経済新聞2019/12/24 ):

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53727740U9A221C1MM8000/ 

 

しかし、「合計特殊出生率」って何だかピンと来ないんですよね。「出生率」と「合計特殊出生率」って何が違うのでしょうか?今まで出生率のニュースを見てもあまり意識していなかったのですが、改めて考えてみると分からないですね。

 

出生率」には、一般的に「普通出生率」と「合計特殊出生率」の2種類が使われています。普通出生率は、簡単な計算方法で求めることができ、「人口1,000人当たりにおける出生数」を意味します。

  普通出生率 =(その年の生まれた出産数)÷(その年の総人口)×1000

 

しかし、「その年の総人口」には、男性・子供・お年寄り・閉経後の女性などの出産可能な女性以外の人たちも計算に含まれています。そこで、合計特殊出生率の登場となります。計算対象を15-49歳の女性として、出産可能な女性以外の人たちを除いた式となっており、「一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均」を示しています。

       合計特殊出生率

        =(年齢15の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢15の女性の数)

        +(年齢16の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢16の女性の数)

        + …

        +(年齢49の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢49の女性の数)

 

出生率」の話をするときは、「合計特殊出生率」について言っているという事を理解しておくことが重要です。

 

今回は、「出生率」について簡単な紹介をさせて頂きました。次回は日本国内での出生率(=合計特殊出生率)について書く予定です。次回も読んで頂けますと嬉しいです。それでは、また!!

 

普通出生率

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87#%E6%99%AE%E9%80%9A%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87

合計特殊出生率

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E8%A8%88%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87

 

うるう年とは、常識を見つめ直す機会でもあります

今週のお題「うるう年」

 

2020年は、うるう年(閏年)。そして東京オリンピックの年。うるう年というと特徴的なのが、2月が通常よりも1日多く2/29まであります。うるう年がなぜ必要かというと、1年間(地球が太陽を1周)は正確には365日ではないため、少しずつ誤差が生じ、その誤差を修正するためです。

地球が太陽のまわりを一回りするのにかかる日数は、365日と約6時間なのです。

https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0371/

 

厚生労働省による2019年の人口動態統計速報の月間出生数による各月1日あたりの平均出産数をもみると、2月は約2400人が生まれている計算になります。この結果から、2020年の2/29も2000人以上の新生児が生まれているはずです。

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000029931.html


ここで、「2/29に生まれた人の年齢は4年1度しか増えないのか?」っと疑問思いますが、実は「年齢計算ニ関スル法律」という法律で年齢の計算方法が決められてます。なんと、誕生日前日が終わった瞬間に年齢が増えるという事です。2/29生まれの人は、2/28が終わった瞬間に年齢が増える事になります。なので、4年1度しか年齢が増えないというのは、日本の法律上では間違った解釈になります。

年齢は生まれた日を0歳とし、生まれた年の翌年以降、起算日に応当する日の前日が満了するたびに1歳ずつ加算する。つまり、加齢する時刻は誕生日前日が満了する「午後12時」(24時0分0秒)と解されている(「前日午後12時」と「当日午前0時」は時刻としては同じだが、属する日は異なることに注意)。

したがって、閏日である2月29日生まれの者は4年に1度しか加齢しないというわけではなく、毎年2月28日の午後12時に加齢することになる。

Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%83%8B%E9%96%A2%E3%82%B9%E3%83%AB%E6%B3%95%E5%BE%8B

 一方、アメリカには年齢を法律で定義されてはいないようです。

For 187,000 of us in the U.S., that’s what happens three-quarters of the time. We leaplings, as we’re called, have defied 1-in-1,461 odds to have our birthdays fall on February 29. Some would figure that makes us special. It depends on how you look at it. News reports in secondary markets sometimes feature leap-day births or an octogenarian leaper’s 20th.

アメリカの187000人は、4年のうち3回は誕生日問題が直面している。2/29生まれの人は、1461(=365日×4年+1日)日の1日を無視しています。他の人は2/29生まれを特別だと思うかもしれないが、それはその人の見方によって異なります。金融業界では時々、2/29生まれや「80歳の2/29生まれの人の20歳」が特集される。

The Leap-Day Baby’s Paradox: 

https://www.theatlantic.com/entertainment/archive/2016/02/the-leaplings-birthday-paradox/470361/

うるう年とは、普段あたり前と思っている「年齢」という常識を見つめ直す良い機会なんですね。常識って普段見つめ直す事がないので、ちゃんと考えてみると新しい発見があると痛感しました。