いまいちど、出生率について考えてみませんか?(1)
最近、日本の将来に関するニュースを良く目にします。明るい話は少ないのが残念です。将来を考える上で、経済成長というのは重要な項目の1つです。経済成長の要因は3つは、1)労働力(人口増加)、2)機械・工場などの資本ストック(蓄積)、3)技術進歩と言われています。
要因2と要因3は、個人の行動が直接影響するというものではありません。一方、要因1(人口増加)は私たち個人の行動が影響するものです。 昨年2019年末に大きなニュースにもなったように、出生数が初めて90万人以下となりました。また、2018年の報告では、合計特殊出生率は1.42でした(2019年の合計特殊出生率はまだ発表されていない)。人口増加への赤信号が灯った状況になりました。
厚生労働省が24日発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4千人となった。前年比で5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。・・・・・・政府は仕事と子育ての両立や待機児童対策、保育料無償化や働き方改革、男性の育児参加などを推進してきた。合計特殊出生率は05年の1.26を底に一度は持ち直したものの、15年の1.45の後は減少が続き、18年は1.42だった。
日本経済新聞(2019/12/24 ):
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53727740U9A221C1MM8000/
しかし、「合計特殊出生率」って何だかピンと来ないんですよね。「出生率」と「合計特殊出生率」って何が違うのでしょうか?今まで出生率のニュースを見てもあまり意識していなかったのですが、改めて考えてみると分からないですね。
「出生率」には、一般的に「普通出生率」と「合計特殊出生率」の2種類が使われています。普通出生率は、簡単な計算方法で求めることができ、「人口1,000人当たりにおける出生数」を意味します。
普通出生率 =(その年の生まれた出産数)÷(その年の総人口)×1000
しかし、「その年の総人口」には、男性・子供・お年寄り・閉経後の女性などの出産可能な女性以外の人たちも計算に含まれています。そこで、合計特殊出生率の登場となります。計算対象を15-49歳の女性として、出産可能な女性以外の人たちを除いた式となっており、「一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均」を示しています。
=(年齢15の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢15の女性の数)
+(年齢16の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢16の女性の数)
+ …
+(年齢49の女性が一年間に産んだ子供の数)÷(年齢49の女性の数)
「出生率」の話をするときは、「合計特殊出生率」について言っているという事を理解しておくことが重要です。
今回は、「出生率」について簡単な紹介をさせて頂きました。次回は日本国内での出生率(=合計特殊出生率)について書く予定です。次回も読んで頂けますと嬉しいです。それでは、また!!
普通出生率:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E8%A8%88%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87