"会いたい" を "会うことができる” にしていく

今週のお題「会いたい人」

 

2020年5月4日に緊急事態宣言の延長が発表され、多くの地域で引き続き不要不急の外出自粛が求められています。それを受けて、密閉・密集・密接の3密回避が今後も継続されることになります。

事実として、多くの飲食店や企業で休業やリモートワークが継続されているだけでなく、スーパーやコンビニでは、感染予防対策として、マスク・フェイスガード・手袋の着用やビニールカーテンの使用が行われています。

 

コロナウイルス騒動前は、出勤・通学・飲食・買い物・レジャーを介して不特定多数の人と日々接していましたが、現在は、人と人とが直接関わり合う機会が激減しています。それを埋めるために、Zoom等によるオンラインのコミュニケーションが増加しています。これは、人が他人と直接関わることを必要であることを示しています。

自由に人に会うことが難しくなったことで、「人と会うことの重要性」が再認識されていると言えます。今回は、「人と会うこと」を改めて考えてみます。

 

人に会うとは

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https://unsplash.com/photos/b_zi7R-qIdQ

自己分析のフレームワークに“will(やりたいこと)・can(できること)・need/must(やらなければないこと)”というものがあります。これは、行動や考えをwill・can・mustの3つの要素に分解し、行動や考えの位置づけを明らかにする方法です。解釈の仕方が様々ありますが、3つが重なり合う部分が「モチベーションが高まる・仕事の満足度が高くなる・やる気を引き出す・やりがいの実感」と言われています。(http://cdgakkai.ws.hosei.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2018/08/15-2-03.pdf

 

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「人に会う」をこのフレームワークで分解すると“will –会いたい・can – 会うことができる・need/must – 会う必要がある”に分けられます。従って、「会いたい人に会う」という行為は“will-会いたい”と“ can-会うことができる”の重なり部分(図の赤い部分)を大きくすることに相当します。

普段はあまり意識していませんが、「人と会う」ための手段は、次の3つに分けられます。当然「見る→話を聞く→対話をする」の順番で関わり合いが深くなります。

  • 見る … 写真、画像、傍観
  • 話を聞く … TV、動画、本、講演会での聴講など
  • 対話をする … メール/メッセージ、電話、講演会で質問、直接アポイントを取り付ける

 

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https://unsplash.com/photos/-bEZ_OfWu3Y

最初に挙げた「見る」は、ただその人を見るだけなので、実質的には「会う」とは言えないモノです。2番目に挙げた「話を聞く」は、相手の話を聞くという一方的なコミュニケーションです。ブログやYoutubeもこれに該当します。最後に挙げた「対話をする」が、お互いの思いや考えを交換するという双方向のコミュニケーションです。これこそが実質的に「人に会う」ことだと考えられます。

関わり合いの深さは異なるものの、「見る・話を聞く・対話する」は、“will-会いたい”と“can-会うことができる”の重なりを大きくする行動といえます。

 

「誰もがやっていることでは?」と考えるかもしれませんが、『会いたい人に会う(“will-会いたい”と“can-会うことができる”の重なりを大きくする行動)ために、意識的に行動「見る・話を聞く・対話する」をしている』というのは少ないはずです。

人と会うことが難しい現状では、“will-会いたい”人にどのような行動で “can-会うことができる”にするか意識的に考えることが重要になります。

 

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https://unsplash.com/photos/YJxAy2p_ZJ4

また、もう一つ重要なこととして、「人に会う」は「存命の人と会う」ではないということです。対象が故人でも「見る・話を聞く」という意味で「会う」ができます。スティーブジョブスや志村けんにだって、書籍、動画や報道を介して、彼らの思いや考えを知ることができます。「人に会う」を考えると、無意識に現在存命の人という考えになってしまいがちです。存命の人だけでなく故人も「会いたい対象」に含めて、幅広く人と会うことを考えることが重要になります。

 

まとめ

今回は、「人に会う」ということをテーマに、“will-会いたい”と “can-会うことができる”の重なりを大きくする意識が重要であることを述べました。「人に会う」には、直接会うだけでなく、手紙・本・動画など様々な方法がありますし、それを満たすことができるツール・技術(電話、スマホ、PCなど)も使用できます。

誰かに“will-会いたい”と想った貴重なチャンスです。“will-会いたい” のまま留めるのではなく“can-会うことができる”にするための意識的な行動を起こしていきましょう。