家事は仕事なのか?

多くの人が1番最初に行う仕事は、「家事」ではないでしょうか?「母親・父親・祖父母・親戚に言われて、家事の手伝いをする」というのが正確な表現かもしれませんが、「家事」が最初の仕事と考えることができます。「家事は仕事なのか?」という意見もあると思いますが、その答えは非常に難しいです。

仕事とは一体何であるのか?家事は仕事と言えるか?について、今回は考えてみます。

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Photo by Marten Bjork on Unsplash

4つの活動

国民の三大義務は「教育の義務」「労働の義務(勤労の義務とも言います)」「納税の義務」です。また、労働者は、労働基準法第9条で「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されています。

労働と同じように使われる言葉に「仕事」がありますが、仕事と労働は同じものではありません。「労働者(仕事者ではなく)」「労働の義務(仕事の義務とは言わない)」からも分かる通り仕事と労働が異なります。つまり、仕事と労働を区別するのであれば、次のようになります。

  • 労働は「会社や個人に雇われている、または義務を課されている対価が支払われる活動」
  • 仕事は「誰かに使われているのでなく、義務でもなく、対価が支払われる活動」

別の観点として「ボランティア」や「奉仕」という活動もありますが、これらは「対価が支払われない」という点で仕事や労働と大きく異なります。さらに、ボランティアは自発的な活動で、奉仕は自発的よりむしろ義務的である活動という違いがあります。

以上を「対価」と「義務」の2つを軸に考えてみると、次のようなマップが描けます。

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このマップから分かるように、労働にはネガティブな印象があったり、奉仕には強制的な印象があるのは、その背景に義務があるからと言えます。一方、仕事やボランティアの両方とも自発的な活動でありますが、仕事とボランティアでは対価の主体が異なります。物質的な対価(お金や物など)が主体なのが仕事、物質的でない対価(社会的評価や満足感など)が主体なのがボランティアという違いがあります。この違いは、労働と奉仕にも当てはまられます。(確かに、「仕事・労働で社会的評価を得る」や「ボランティア・奉仕でお礼をもらう」という事はありますが、それらは対価の主体ではありません。)

 

家事は仕事か?

「家事」をこのマップに当てはめてみると、4つのどれか1つに当てはめることは難しいという事が分かります。それは、人によって、家事の捉え方が異なるからです。家事は、ボランティア・奉仕・労働・仕事のどれにもなり得るし、同時に複数に該当することもあり得るという事です。 家事全体を100%を考えると分かりやすいと思います。この100%をこの4つにどう割り振るかということで、家事に対する捉え方が分かります。

例えば、

  • 「ボランティア 0%・奉仕 100%・労働 0%・仕事 0%」は、家事を物質的な対価がなく、嫌でも必ずやらねばならない(義務)と捉えています。※育児はこのような状況になっている事が多いです。
  • 「ボランティア 0%・奉仕 0%・労働 100%・仕事 0%」は、家事を物質的な対価があるが、嫌でも必ずやらねばならない(義務)と捉えています。※「家事労働」という時があります。
  • 「ボランティア 10%・奉仕 40%・労働 40%・仕事 10%」は、家事を奉仕・労働に大きなウェイトがあるものと捉えています。

実際には、家事≒奉仕(1番目の例に近い)と捉えている人が多く、それが家事に対する問題の多くを生じさせているのだと考えられます。家事は4つのどれにもなり得るので、「ボランティア 25%・奉仕 25%・労働 25%・仕事 25%」というのが家事に対する良い捉え方であると考えられます。

配偶者や家族に家事全般をしてもらっている方は、あなたの考えが「奉仕 100%」となっていませんか?もし、そうであるならば、家事にボランティアや仕事の意味を加えてみて下さい。ボランティア(あなたも自発的に参加したり、感謝を言う)や仕事(何かをプレセントする)の活動をしてみてはいかがでしょうか。

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Photo by Annie Spratt on Unsplash

冒頭に書いた「人の1番最初の仕事は家事である」より、「人の1番最初の働くこと(ボランティア・奉仕・労働・仕事の全てを含んだもの)が家事である」と表現が正しいのだと考えます。

今回は、家事も仕事として捉えることができるという観点で意見を述べさせて頂きました。最後までお読み頂きありがとうございました。

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