【Vol.3】長期投資の心得
税の優遇と資産運用
2020年現在、税の優遇を受けられる資産運用には次のような様々なものがあります。
その中で最初の4つは、新聞やインターネットでもよく話題になりますので、今回はそれらに話題にした1冊を紹介します。
タイトルは「“ 税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資」(1400円+税)です。
この本では、専門的な説明もありますが、今回は「つみたてNISAと一般NISA」や「iDeCoと企業型DC」について紹介をします。
目次
一般NISAとつみたてNISA
ご存じの方も多いと思いますが、NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。
基本的な違いは次の通りです。他にも違いがありますが、まず知っていた方が良い違いは以下だと思います。
- 1番目の違いは非課税限度額で、一般NISAが年120万円まで、つみたてNISAは年40万円までです。この限度額内の投資であれば、運用益が非課税となります。
- 2番目の違いは非課税期間で、一般NISAが5年、つみたてNISAは20年です。つみたてNISAは長期投資を想定したものとなっています。
- 3番目の違いは投資手法で、一般NISAは制限なしで、つみたてNISAは名前の通りつみたて方式(毎月数万円といったもの)に制限しています。
- 4番目の違いは投資商品で、一般NISAが限定なしで、つみたてNISAは金融庁で認められた投資信託やETFに限定しています。つみたてNISAは投資知識がない方でも安心して商品が選択できるようになっています。
「一般NISA」と「つみたてNISA」は併用(同じ年に二つを使うこと)することは認められていないのですが、「一般NISA → つみたてNISA」や「つみたてNISA → 一般NISA」への切り替えも可能です。
ただし、前者は「損失が出たときの損失額による非課税延長ができなくなる」、後者は「長期投資のうまみを得られない」というデメリットが生じます。
「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらを使うのかは考えた上での選択をする必要があります。
企業型確定拠出年金とiDeCo
確定拠出型年金(DC)も「企業型DC」と「iDeCo(イデコ)」の2種類があります。
違いは以下の通りです。
- 1番目の違いは加入対象で、企業型DCは会社員、iDeCoがそれ以外となっています。実際には企業型DCとiDeCoの併用は可能ですが、企業型DCの上限額変更などが必要となるため、併用というのは特殊なケースと考えます。ません。
- 2番目の違いは掛け金で、企業型DCは会社が出し、iDeCoが本人が出します。
- 3番目の違いは節税額で、企業型DCは掛け金の所得控除(掛け金の金額を所得から差し引かれ税金が安くなる)はなく、iDeCoは掛け金の所得控除があります。
企業型DCで、マッチング拠出「会社が出す掛け金 + 個人が出す掛け金(上限金額あり)」という仕組みがあり、 個人が出す掛け金分は所得控除が受けられます。ただし、上限金額が大きくないので、iDeCoほどの節税効果は得られません。
iDeCoの方が企業型DCよりもお得のように感じますが。掛け金を会社が負担してくれるので、実際は企業型DCの方がお得と言えます。ただし、会社員限定となります。
また、自分が会社員で、配偶者が所得ない場合は、配偶者がiDeCoに加入することは可能ですが、iDeCoの口座管理にコストがかかるので、やみくもにiDeCo加入はおススメではありません。ただし、iDeCoで資産が増やせる自信がある場合は別です。
NISAや確定拠出年金による資産運用の心構え
NISAもDCのどちらも老後資金の安定的な確保というのが最大の目的です。
基礎年金や厚生年金といった公的年金を支えるものとして、NISAやDCを捉えるというのが良いと思われます。
長期投資はどれだけ早く始めたのかというのが重要になってきます。
そのため、NISAもDCのどれも始めていないという方は、NISAやDCを使った資産運用を検討する事が重要です。
まとめ
今回は、NISAと確定拠出年金に焦点を当てて紹介させて頂きました。
冒頭でも記載しました通り、本書には、NISAや確定拠出年金のより詳細な内容、実際に投資する際の注意点など長期投資に必要な情報がたくさん載っています。
長期投資に関心のある方、既に始めているけれど知識が十分でない方は、ぜひ本書を読んでみて下さい。きっと、長期投資のレベルアップにつながると思います。
用語説明
- iDeCo = individual Defined Contribution
- DC = Defined Contribution
- NISA = Nippon Individual Savings Account